- 2005年9月 2日 23:26
- Other trivial things
なんちゃってSEとして常駐している客先には、部付役員と呼ばれる、多くの取締役が在籍しています。大手生保の関連子会社だから役員の多さは必然なのでしょう。
実に様々な初老役員の中で、私の所属先である部署の取締役は、もっとも小柄でいつもニコニコしているやさしい方なのです。会議では殆どしゃべらないのに、険悪ムードになったりすると、すかさず関係ない冗談かまして、場を和ましたりするタイプ。他の、その役員のお仕事、新聞の面白記事を切り抜いて、関係ありそな社員の机にそっと置いておく、とか。
で、先日その取締役から、担当部署へのメール配信がありました。災害時の備えを、ご自身の体験を元にまとめたメモ書きのような文書。目を通して初めて、その取締役が阪神大震災の被害者、もしくは生き残りであったと分かったわけです。
とてもリアルに感じて、あまりにも生々しい体験談で、本気で有り難いと思って、迂闊にも涙が…
今読み返してみると、なぜ涙が出たのか分からないのですけど、でも貴重な体験談なので、ここにしばし掲載!
阪神大震災を体験し、偶然生きているものとして下記のことを思いつくままお伝えします。
地震への備え
・箪笥や本箱、倒れそうなものが有る所では寝ない。
・寝巻きは直ぐに外に出ても支障の無いものを、例えば運動着のジャージの上下とか。
・転倒防止の備えを。
・箪笥と壁とに隙間を空ける、くっつていると衝撃を直接受け、倒れる。
・水屋や本箱は出来るだけ引き戸を、開き戸は食器は全滅。
・懐中電灯・トランジスタラジオは常備。懐中電灯は各部屋に。常々電池の点検を。
・車のラジオが情報源になる。今ならカーナビのTVとか。まさかの為にはガソリンは満タンが望ましい。
・車にはペットボトルの水・カップ麺、下着とか用意しておいた方が良い。
・当然自宅にも水の半ダース、簡易食の何日か分は必要。
・冷蔵庫もそこそこの食料を。余った物を直ぐ捨てるのは考え物。
・風呂の水は翌日入れ替えるまで捨てないこと。トイレの水に必要。
・風呂には余計なもの入れない(EX,草津の湯、とかの入浴剤)。沸騰させて飲み水として利用しなければならない事も考えられなくは無い。
・簡易コンロは必需品。予備ガスも。急に求めても直ぐに売り切れ。
・バケツや水を溜められるものの常備を。急に求めても直ぐ売り切れ。
・テレカを1枚は用意を。家の電話、携帯・PHSが使えなくとも公衆電話は使えた。
・小銭も必要。普段から枕元に必要最小限な物は置いておく習慣を。
・当座の現金は必要。銀行・郵便局のCDも使えない。
・最後は金、お金持ちはすべてが復旧するまで大阪のホテル住まいだった、とか。
・携帯の災害時の対応は事前に熟知を(マスターした人は私にも教えて下さい)。
・電源不要のノートパソコンでのメールの受発信を出来る体制にしておくと良いかもしれない(当時は思いつかなかった)。
・サランラップ常備。食器を洗う水が不足。サランラップがあれば何度でも使える。
・自転車・電動自転車、バイク必要。細目にコンビにに行く必要が生じる。
・銭湯マップ作成を。近隣の温泉・銭湯、きちんと把握を。風呂は暫くは使えない。
・利用可能な公衆トイレとかも把握を。
・会社の保養所とか、万一の時の避難場所を調査のこと(当時●●●に研修センターが有り、たった一日だけでしたが寛げました)。
・これから居を構えるのなら安全な町に。尼崎市は規定以上に消防車が配備されていた為、火災の被害が極めて少なかった。
西宮市から戴いたものは500MLのペットボトルとパンだけ。以前市川市に住んでいた時、地震発生時街全体に放送があった。
・マンションは中層を。エレベーターは何日も使えない。水を運べない(当時●●●アパートで4階であったが水を運ぶのに往生した)。
・埋立地は危険。液状化現象は本当に怖い。一方でポートピアは島内ガス設備なく全て電気、従って火事が殆ど発生していない。
・普段の健康管理が重要。前日のスキーの疲れで熟睡して逃げ遅れた人もいる。深酒はもってのほか。
・常に机上は整理整頓、物が飛び交う。
・帰宅ルート、家族との連絡網作成を。真剣に。
発生後
・先ず身内に電話を。充電されているので暫くは電話は使える。
・風呂に水を溜めること。
・電気が復旧したならご飯を目いっぱい炊くこと(当時直ぐ停電になったが、一旦数時間復旧)。
・災害状況を写真に(尤も税務署は転勤族は気の毒ですね、と何の慰みにもならなかった)。
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